藤野千夜『編集ども集まれ! 』岡崎先生との交流が語られる

2017

『編集ども集まれ! 』

藤野 千夜著、双葉社、2017/9/20
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80〜90年代に漫画雑誌の編集者として岡崎先生と交流を持ち、その後小説家に転じて芥川賞を受賞した藤野先生の新刊です。
編集者をしていた頃の自伝的な小説です。当時の岡崎先生との交流が描かれているそうです。
インタビュー:自らの性アイデンティティについて →アディonline
インタビュー:当時の雰囲気について →本からくり堂
装丁の若林夏さんのブログ
岡崎先生との交流については、増補新版 岡崎京子 (文藝別冊/KAWADE夢ムック、河出書房新社、2012年)収録のエッセイ「またお花見をする日」でも述べられています。藤野先生の人柄が感じられる、心温まる文章です。 →当サイト『文藝別冊』


また藤野先生は海燕新人賞受賞後の最初の単行本の表紙を、岡崎先生に描いてもらったそうです。『少年と少女のポルカ』(右図、1996年)です。
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岡崎先生の『乙女ちゃん』(月刊「フィールヤング」1994年3月号掲載、『エンド・オブ・ザ・ワールド』に収録)には、妻をなくした後スカートを履いて過ごすお父さんが描かれています。残された家族三人が身を寄せ合う、優しいお話です。
(ちなみにこの作品は、小津安二郎『晩春』へのオマージュでもあります)
藤野先生がスカートを履いて仕事をしたため出版社を辞めさせられ、小説家の道を歩み始めた頃かと思います。
これは私の推測ですが、岡崎先生流の藤野先生への応援だったように思います。

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